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湘南辺りの音楽情報とか
by swingfuji
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Swing Swang Swingin'
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Pazzi Monk Soul Combo

場所と時間は変わって藤沢、三週間ほど前のこと、
界隈のとある(けれど言わずと知れた)酒場での会話。

Pazzi Monk Soul Combo_c0114339_2172659.jpg


よのゐ「・・という掌編が、その洋書の短編集に載っていたわけです」
店 主「ふーん、なんだか切ないような話だよね」
よのゐ「まあそうですね、でもこの話には後日談があるのです」
店 主「へえ、どんな?」
よのゐ「その短編集は十年まえに発刊されてイギリスではそこそこ売れた
    らしいのです。で、British VOGUE だか British GQ だったか
    忘れましたけれども、どこかの雑誌がその本に登場する12人の
    その後、みたいな企画を掲載したのですって」
店 主「へえ、で、彼はどうなったの? えーと何て言ったっけ?」
よのゐ「パッツィ・モンク」
店 主「そう、その人」
よのゐ「それが、なんというか映画みたいなお話なのですが・・・」

当時、その短編集と雑誌を読んだイギリスの友人に聞いた話はこうだ。
パッツィ・モンクことエミリアーノ・パッツィは殆ど全ての財産を
失ったのだったけれども、彼の父親が遺してくれた山あいの小さな
葡萄畑だけは債権者の手に渡ることもなく、そのまま彼の持ち物と
して残った。まあ、言ってしまえば誰も手に入れたがらないような
土地だったというだけのことなのだが、彼にとっては父親の唯一の
形見であり、また唯一の拠りどころでもあるわけなので、ほどなく
して近在の農家に手伝ってもらいながら荒れていた畑を手入れして
葡萄を育て、少量ながらもワインを生産するようになったのだった。

トリノがあるピエモンテ州はワインの産地として世界的に有名だが、
そのピエモンテ産のワインでここ二十年来、熱心なワイン愛好家から
あの幻の、という冠詞つきで大変に珍重されている逸品があることを
皆さんはご存知だろうか?

という見出しで始まるその雑誌の見開きのページには、
あのパッツィ・モンクことエミリアーノ・パッツィが
収穫前の葡萄畑を背にして少しばかり恥ずかしそうな表情を
浮かべて笑っている写真が掲載されていたのだそうだ。

友人にそのワインのことは知っているかと尋ねたところ、
もちろん知っている、知ってはいるが飲んだことは一度もない、
あれは僕たちが簡単に手にいれられるようなものじゃないんだよ、
と言って小さく笑った。

よのゐ「で、マーサ&ザ・ヴァンデラスのレコードについては
    何か書いてなかったの?」
友 人「もちろん書いてあったさ、どこまで本当なのかはわからないけど」

そう、 これだけが唯一ロンドンから持ち帰った品物でした。
何故そうしたのか忘れましたが、ワイン造りが軌道に乗り始めた頃に
ふと思いついてこのレコードを貯蔵庫で眠っているワインに聴かせて
みたのです。そうです、日に一度、毎日かかさずにね。そうしたら
不思議なことにワインの味がぐっと良くなりました。ある年などは
大変に不出来な年で近在の醸造家は皆あきらめたものでしたが、
うちのワインだけはいつもと変わらない味に仕上がってくれましたよ。
それもこのレコードのおかげですね。すっかりすり減ってしまったので、
最近ではCDをかけているのですがね。ときおり孫娘がやって来ては
「おじいちゃん、この曲とってもクールね」なんて言っていますよ。

という彼の語りで終わる最後のページには、ぼろぼろになった
マーサ&ザ・ヴァンデラスのレコードをしっかりと胸に抱えた
あのパッツィ・モンクことエミリアーノ・パッツィが貯蔵庫の
がっしりとした扉を背にして少しばかり恥ずかしそうな表情を
浮かべて笑っている写真が掲載されていたのだそうだ。


よのゐ「・・・ということなのです」
店 主「えーっと、それってどこまでが本当の話なんだろうね?」
よのゐ「さあ? どうなのでしょうか・・・ところで、今度ここで
    演奏させてもらうグループことなのですが」
店 主「ああ、はいはい。次回の magic bus のときのね」
よのゐ「名前を Pazzi Monk Soul Combo にしようかと思っているのです」
店 主「その伝説のモータウンマニアの夢を継ぐってこと? いいんじゃない」
よのゐ「では、そうさせて頂きます。もっともこんな話、誰も知らない
    でしょうけれどもね」


----- 10/11 -----
@ Sausalito
Magic Bus < swinging fujisawa 2008 >
DJ:Empty・S and .....
LIVE:Pazzi Monk Soul Combo
by swingfuji | 2008-10-19 02:18
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