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湘南辺りの音楽情報とか
by swingfuji
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Pazzi Monk Soul Combo

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かわいそうなパッツィ・モンクのお話をしてあげようか?

1968年、イタリアはトリノ出身の貴族の末裔、エミリアーノ・パッツィは
留学先のイギリスはロンドンで酒と薬とレコードに溺れた暮らしをしていた。

そんなある日、父親であるアナスタージオ・パッツィ卿が趣味でもあった
トリュフ狩りの最中に心不全で急逝し、一夜にしてその莫大な遺産の全てを
相続した彼は、財力にものを言わせてカーナビー・ストリートでも指おりの
豪奢なマンシオンを買い取り、演奏と録音に必要なありったけの最新機材を
地下室につっこんで、当時としては最先端のレコーディング・スタジオを
またたく間にむりやり作りあげてしまったのだった。

それは何故か?

あのモータウン・レコードのファンク・ブラザースにも負けないような
とびっきりのグループを組んで、ヒップなヒット・レコードを連発する。
そう、それこそがここ数ヶ月のうちに彼が想い描いていた夢だったから。

それから毎晩のように地下室のスタジオではオーディションが繰り返された。
イギリス中から凄腕のミュージシャンが星の数ほど集められたのだけれども、
彼が夢に見ていたとびっきりのグループが結成されることはついになかった。

それは何故か?

とある晩のこと、何回目かのオーディションが終わると、
世界的に有名なあのギタリストが愛用のレス・ポールを
ケースにしまいながらエミリアーノに向かってこう言ったのだった。

「かわいそうなパッツィ・モンク、お前さんが歌を唄おうなんて
 馬鹿なことさえ考えなけりゃ、このグループは大成功まちがい
 なしなんだがな、おわかりかい?」

そう、つまりはそういうこと、おわかり?

ちなみにパッツィ・モンクって、界隈の口さがない連中が
彼につけたあだ名なんだ、知ってたかい。小雨の降る通りを
レコードを小脇に抱えた彼がうれしそうに歩くときには、きっと
アノラックをフードまできっちりかぶって着ていたからなんだって。
「おい見ろよ、あいつまるでモンク(修道僧)みたいだな」
だってさ。

夢破れた(たかだか数ヶ月のとはいえ)パッツィ・モンクは
その後どうなったのか?

沢山あったお金もやがて底をつき、カーナビー・ストリートの
豪奢なマンシオンも、最先端のレコーディング・スタジオも、
夢中で集めたヒップきわまりないあのレコード・コレクシオンも、
なにもかも全てを手放すことになった彼は失意のなか、
独りきり故郷のトリノへ引きあげて行ったものらしい。

早朝の地下鉄ピカデリー・サーカス駅で最後に彼を見かけた
彼の友人(数少ないほんとうの)によれば、着古したよれよれの
ツィード・ジャケットに例のあのアノラックをはおって、
懐にはマーサ&ザ・ヴァンデラスの 7インチだけをとってもとっても
大切そうに抱えて、ヒースロー行の始発に早足に乗り込んで行ったんだって。
あいつ、その一枚だけはどうしても手放すことができなかったんだろうって。

おしまい。


"SWINGING LONDON:12 phoney stories"
chapter.4-1
"Let me tell you about Pazzi Monk"
Graham.T.Elliot
HENRY AITKEN PUBLISHERS
Carnaby ST
Westminster, London SW4 1RE


訳(中略あり) よのゐかをる


----- Martha & the Vandellas "HEAT WAVE" -----


by swingfuji | 2008-10-18 21:51
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