日曜日の夕方、遠くに雷鳴を聞きながら街に出た。
薄曇りではあるけれど、空はまだじゅうぶんに高く、
雲間からは淡い陽がこぼれ落ちてさえいたのだった。
だから、それはないよなあ、とは思った。
ゲリラ集中豪雨と呼ぶらしい。
前線(フロント・ライン)では闘わず、
局地的な遊撃(ゲリラ・ウォー)を展開する。
なるほど、うまいネーミングだ、笑えないけど。
カフェ・パンセのバルコンから通りを見おろしてみる。
備えとしての傘があるとか、傘がないとか、
この場合にはたいした違いはないみたいだ。
それを持っている人も、持っていない人も、
皆、浅く暗い河のような舗道を蹴とばして、
それぞれの方舟へと避難してゆくのだった。
カフェ・パンセの扉ごしに仮縫いの音が漏れてくる。
冷たい閃光、ひと呼吸おいてから、低い雷鳴。
顔を伏せ、目をつむる、身体がこわばったが、
耳だけは聴いていた、その余白の残る音楽を。
ザ・シャンゴーズ
鳴神の御名を拝借なんかしちゃうから、これだよ。
神様だって気になるから聴きに来るにきまってる。
----- 9月7日 -----
@ café pensée
「ラテン・アメリカの香り vol.4」
THE シャンゴーズ
中西文彦(guitar)
尾花 毅(7strings guitar)
まえかわともこ(vocal)