湘南辺りの音楽情報とか
by swingfuji
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雨の動物園

間瀬憲治はロマンティストである。
降りしきる、みだれ髪の雨の一滴一滴に音楽を聴いてしまうというような。
近ごろでは、その絶滅が危惧されてもしかたのない、本物の夢想家である。

雨の動物園・・・
どれほど詩才にとぼしいものであっても、心象が浮かぶのではないだろうか。
詩らしきものの欠片、物語の破片。遠景に近景に仄めかされるのではないか。
シアター・ピースのようなものを想像していた。何か具体的な展開を楽器や
ターンテーブルが補完するものだと思っていた。抑えられたナレーションに
案内されて門扉のまえに立っている。扉をあけてもいい。たち去ってもいい。
テクストは慎重に言葉を選んで磨かれているけれど、留保がゆるされている。
いずれ、園内に歩いてゆくであろうことは予感しているのだけれど、判断を
ここでは強制されない。促さない。宙ぶらりんのまま、放っておいてくれる。
やがて音楽が響きだす。それは聴くものを煽情しない。何ごとも示唆しない。
ただ、そこに雨を降らせている。間瀬憲治のロマンティシズムに降りそそぎ、
ぐっしょりと濡れしょびれにさせている。それはターナーの絵画を想わせた。

c0114339_21514317.jpg


この雨のさまよいも終わりのころ、ふいに一人称が告げられる。
ナレーターは、冷静に、はっきりとした声で「ぼく」と云った。
夢みがちな放浪者の正体が明かされた。ああ、とわたしは思うのだ。
彼のイノセントなトリックにまんまとはめられたのだ、と苦笑した。
わたしたちに留保がゆるされていたのでは、けっしてなかったのだ。
耳あたりのよい、サスペンデッド4th にすっかりとだまされていた。
彼はそれとまったく気がつかせることなく、わたしたちの手をひき、
背なかをおし、彼の雨の動物園をぐるりと案内してみせ、ついには、
こんなにも遠い、どこかわからない地平にまで連れだしたのだった。
共謀したのは演者とゲンちゃんである。ギターを抱えたずぶ濡れの
間瀬憲治が顔をくしゃくしゃにしながら笑っている。音楽は、雨は、
しばらく止みそうにない。迷子のわたしたちも、笑うしかなかった。

氷雨、春雨、五月雨、梅雨、日照雨、俄雨、秋雨、時雨、霧雨、霖雨、驟雨。
言葉は雨にさまざまな性格をあたえているけれど、今夜、ここに降るものは、
慈雨であると思いたい。それは豊穣を約束する。聴き手と演者と動物たちは、
ここケインズという洞窟でビバークする。降りしきる雨音に耳を傾けながら。


間瀬憲治というものは、まったく油断のならないロマンティストである。


                            よのゐかをる

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雨の動物園
@ Bar Cane's
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by swingfuji | 2010-09-27 21:52
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